【事例解説】海外勤務になった場合の確定申告はどうすればいいの?
こんにちは。太田尚道(おおたたかみち)税理士事務所の太田です。
今日は、突然インドネシアに転勤になったAさんの事例を用いて、海外勤務になった場合の課税について解説します。
海外子会社に出向になったときの確定申告についてご存知ですか!?
事例) B社(本社・大阪)の従業員であるAは、令和3年8月にB社の子会社であるC社(インドネシア)に3年間の予定で出向を命ぜられ、8月5日に日本を出国した。Aは、日本にある自宅を同年9月から月額10万円でB社従業員Dに賃貸する予定である。日本での課税関係はどうなるだろうか?
解説)
- 出国時まで(~8月5日)
Aは出国時までに準確定申告をする必要がある。
この場合、1月1日から8月5日までの給与所得を確定申告することになる。
なお、9月からは不動産所得(家賃収入)が発生するため、申告権限を委譲するための納税管理人を定め、納税地の直轄税務署に「納税管理人申請書」の届出をする。 - 出国後
Dは月額家賃10万円のうち20%(2万円)を差し引いた額である8万円をAに支払い、2万円を源泉徴収し、税務署に納付する。
一方、Aは令和4年3月15日までに、令和3年9月~12月までの不動産所得のみを納税管理人を通じて申告することになる。
Aは8月6日以降は※非居住者(1年を越えて日本に住んでいない者)となるため、6日以降の給与所得は赴任地であるインドネシアで課税される。
※所得税法では、個人納税義務者を国籍ではなく、居住地主義(居住者と非居住者に区分する考え方)にもとづいて、課税範囲を定めています。